『ラブプラスワン』レポート

10月31日、新宿ロフトプラスワンにてゲームサイトである4gamer.netがコナミのゲームである「ラブプラス」のファンを集めトークイベント『ラブプラスワン』を開催しました

チケットは瞬間的に売り切れ。私も最初は手に入れることができませんでした。しかし、都合が悪くなり行けなくなってしまった方から譲っていただき、参加することができました。

その譲っていただくことの条件としてのイベントレポート、それがこの文章にあたります。気持ちに応えられるかどうか、その保証はできませんが、私の体験や想いを混ぜながらも、自分なりに精一杯まとめてみようと思います。


1.初めに

このレポを読んでいる人の中で「ラブプラスってどんなゲームなの?」と思う人はそんなに多くないと思います。各有名サイト、雑誌、そのほか多くのメディアが特集を組むほどの視線が注がれているゲームです。

どんなゲームなのか、私にはうまく説明ができません。「恋愛ゲーム」といってしまえばそれで完結してしまっているような気もしますが、それではあまりにも寂しい。

多分このゲームをやったことある人たちは「恋愛ゲーム?それじゃあ完結しないんだよ!」と思う人ばかりだと思います。なぜなら、このゲームは告白されて終わりなのではなく告白されたあとも楽しめるからです。

また、既に言ってしまっていますが、「3人いるヒロインから告白され、その中から一人と彼氏彼女の関係になること」が一つのゴールです。今までは「告白し、それが叶うことでハッピーエンド」というゲームばかりでしたがその逆をもろにメインにしている点でもこのゲームはある意味では革新的だったのではないでしょうか。

そしてもちろん、意中ではない女の子の告白を断ることもできます。つまり自分の気持ちに正直に向き合うことができます。三人から同時に告白されるのも進め方次第では可能です。またDSの通信機能を使って、他のプレイヤーの彼女と自分の彼女を話させることができます。私はこれを「ワイヤレスガールズトーク」、通称"WGT"と一人で勝手に呼んでいます。

ちなみに、私は姉ヶ崎寧々さん一筋です。彼女のバイトに対する姿勢や私に対する気持ちのストレートさに惹かれ、気づけば恋に落ちていました。大人な雰囲気も大好きです。おっと、ノロケがすぎてしまったようだ・・・

2.10月31日のキセキ

そろそろイベントについての話をしようと思う。

12時10分に新宿についた。東口からアルタを一度睨んでからコマ劇場のほうへと歩いて行った。一緒に行く予定だったkularikaとの待ち合わせ時間はとうに過ぎていた。

チケットは私が譲っていただいた2枚を持っていたので、kularikaには非常に悪いことをしたと思っている。会場である新宿ロフトワン横のコンビニで待機しているとの連絡がきたので急いで向かった。

kularikaと合流。そして目にしたのはDSの画面を一生懸命に見つめている人たち・・・「あぁ・・・そうか・・・他人から見たら、俺もこう見えてるんだ・・・」と一瞬でも考えてしまったことを後悔している。

チケットの番号は103番。最初は余裕で前に行けると思っていたが現実は厳しかった。会場の狭さ、人の多さにただひたすら驚くばかりだった。ただ、入場の前にカメラを持った男性(おそらく運営側の人)に「彼女の写真撮らせてもらっていいですかー!」と言われ、DSを開きタイトル画面の彼女を写真に撮ってもらった。彼女は写真うつりが絶対にいいはずなのでかわいく撮れているはずです。

席は会場の作りからどの位置からでも「それなりに」見られるようになっていたので相談し、遠いけれど斜めから全体を見渡せる場所に座った。そしてMacbookを取り出してTwitterでの実況を始めました。

ちなみにこの時点でSoftBankの電波は圏外。DOCOMOイーモバイルはOKという状況だった。従って、iPhoneユーザーであったkularikaへMacbookによるインターネット共有を行わねばならなかったため、私は快く受け入れました。

Twitterで"#loveplusone"というハッシュタグを用意するのであれば、無線LANの解放ぐらいはして欲しかった。

とりあえずMacbookを広げると何か無線を拾っているらしい。そのSSIDで思わず笑ってしまった。そこにはLOVEPLUSと書いてあったからです。

なお、私の隣の人もTwitter-erでiPhoneユーザーであり、フォローし無線LANの共有もした。こういうつながりが持てたことも大変面白かった。

運営からの注意も非常に面白かった。始まるまでDSのピクトチャットや彼女通信でノロケを堪能するようにとの言葉には皆笑みをこぼしていた。

入場する際にチラシを何枚からもらったが、その中に凛子からのラブレターが入っていた

すごいどきどきしました。ラブレターって本当にいいもんですね。凛子以外のラブレターをもらった人を見かけなかったのはなんでなのか、それはわかりません。

そして13時半。イベントスタート。私もMacbookTwitterでの実況を開始した。

出てきた途端に、たくさんの人に驚く進行陣2名。そして「みなさん、あの台風の日にチケット買ったんですか?」との質問に場内爆笑。そういえばあのチケット発売日は大荒れの予報だったことを思い出した。

そして150枚のチケットが完売したこと。チケットの欠番なし、150人全員が会場に着き、関係者含め200人、全員がラブプラスプレイヤーであることを発表。「このリア充どもが!」の発言に場内が笑い一色に。

トークライブとはいえ、ライブハウスなので酒を片手に彼女自慢をしようとするコンセプトであることがその場の雰囲気で伝わった。進行陣もビールとDSを片手に、このイベントが開かれた経緯や彼女トークをしていく。

このイベントは進行席にいた4gamer.netの吉岡さんの提案で行われたものであり、あくまでもコナミからの依頼で行ったものではないとの説明がなされた。そうであるなら、このチケット完売の状況は吉岡さんにとって大成功と呼べるのだろうなと私は感じました。

進行陣が4名へと増える。4gamer.netでコラムを連載しているマフィア梶田さんと男色ディーノさんの二名が彼女同伴で参加。そして当然のように彼女自慢を展開し始める。

ここで「〜派なのか」を拍手の量で確認された。愛とは、ときに集団的になることで人を凶暴的にし、相手へと敵意を向けるものなのだと進行陣含め、会場の雰囲気が私にそう伝えた。寧々さん派があまりいなかったことが悔しい。

そしてコナミ陣からゲスト。ラブプラスプロデューサー(通称ラブプラスのパパ)である内田明理氏,同ディレクター(ラブプラスの兄)である石原明広氏の登場。オーディエンスから精一杯の拍手のあとの内田さんの一言

「君たちにお父さんと呼ばれる筋合いはない!」に会場がまたもヒートアップ。そして開発の裏話が始まるのであった・・・

3.本音トーク

コナミとしてはこのラブプラスは売れるのかどうか本当にわからないゲームだった、という意味の発言が内田さんからされた。しかし、今でも各メディアの注目はあるし取材も多い。

とあるメディアの記者さんは2度訪れて1度目はどんなゲームか全く知らなかったのに2度目は攻略法を聞いてきた、などの実体験も内田さんは話してくれた。「ラブプラスは攻略するものではない」との名言もここで口にされた

開発の裏話も色々聞けた。TwittrのPOSTも平行して行っていたためどれが誰の発言なのかまとめ切れないのだけれど

デバッグ段階でキャラの取り合いが発生したことや、「このゲームが本当に受け入れられるのかどうか」という心配がいつもあったこと

後者は4gamerなどのレビューのおかげで消えたらしい。このときに進行陣として座っていたマフィア梶田さんの記事が例として出された。そのときの記事も「気持ち悪く書いて」と頼まれ書いたものだったが、それが今のブームにつながっているのだろう

また、声優についても触れられた。初め、コナミの内田さんは皆口祐子さんの声が好きでラブプラスを作りたいとの発言があった。そして、凛子に丹下桜さんを起用し、声が入った瞬間に驚くほどの予想外なマッチに納得したとの話もありました。

ここで特別ゲスト、キャラデザイン担当のミノ☆タロー氏の登場。ミノさんはときめきメモリアルONLINEのデザインも担当されていた。

ラブプラスに関して、かなり曖昧なコナミからの提案にミノさんが素晴らしいデザインを考えてくれた。ミノさん自身は「アニメっぽさよりも漫画っぽさ、それこそタッチのようにちょっと懐かしめの絵を目指したんです」と話していた

たしかにラブプラスは昭和のテイストが若干ある。最近流行の学園物とは明らかに違う。萌えアニメ、萌え漫画と違った味わいがあるのもブレイクのきっかけなんだろうか。またこれを裏付ける証拠の一つとして、後述するがイベント参加者の年齢がある。今回は10代、20代前半の参加者は少なかったと言っても良いのではないだろうか。これについてはまたあとで書くことにし、トークの続きを書きたい。

キャラクターのデザインの話が続けられる。そこで愛花のポニーテールは企画段階では無かったことが明らかになった。そしてプロトタイプでのムービーの公開。この動画のファイル名が「スキンシップ.mpeg」と判明し場内爆笑。

忘れようと思っても忘れられない。キャラは1キャラのみだったが、私の印象としては髪型が凛子、声が寧々さん、オーラが愛花といったキャラがDSの画面の中にいる。ここで気づいたのが、既にDSは縦で持つことが前提として制作されたことだった

開発に関わる人数はDSのゲームを作るには多すぎるのほどの人数だったとのこと。

そしてここで特別ゲストの登場。チュンソフトから「428」総指揮の石井さん

石井さんは名言多かったと思う。ドラゴンクエストで有名な中村光一ラブプラスをプレイする石井さんに対し「現実を見ろ」との発言をしたときの話題になったとき

「現実の方が間違ってるんだ!」
「現実とか糞ゲーみたいなもんじゃないですか」
「現実の女性のほうがバグってるじゃないですか。もっとデバッグしないと」

などの発言で会場から拍手の嵐となった

そして、ここで凛子の声を担当した丹下桜さんからのボイスメッセージ

いやー、声優さんって、本当にいいもんですねー

凛子をプレイしてないのを後悔するほどのかわいさでした。そして凛子好きなマフィア梶田さんを相手に、丹下さんの声の案内を頼りにジャンケン大会が始まった。

このジャンケンもラブプラスではおなじみのミニゲームとなっているため、自分含め何人かにやにやしながら強面の梶田さんとじゃんけんをすることになった

というか、凛子の甘え声、あれは反則ですね。あれでニヤニヤしない人がいるのかどうかが疑問

そんなジャンケン大会も終わり、凛子から新曲のプレゼント。11月20日に発売予定のボーカルアルバムからの選曲。青空飛行が会場に流れる。そして即席のオタ芸大会、サイリウムなど会場がこれまでにないほどの盛り上がりを見せる。しかしサイリウムは用意良すぎる・・・

ラブプラス現象の話題でクリスマスについても触れられたが、そのときにコナミ陣からクリスマスイベントは期待していてください、との発言。凛子役の丹下さんもクリスマスイベントが一番のお気に入りだそうです。

そして、そろそろ第一部も終わりへと

コナミ陣からのメッセージは「続編は作りたいです。そして、仮に作るとしてもまたあの3人がいいです。新しいキャラは考えてはいるけれど・・・」というものでした。「でも、例えば成長した大学生編を作っても合コンに行ってて電話に出られないとかそういうのは嫌でしょうw」という発言に皆が賛同

私も続編が出るとしても、あの3人が良い。新たに増えたとしても、その子たちに心移りするのが少し怖くもあるし、今は寧々さんとの愛を育んでいきたい。

また、新システムも何か考えているようだ。となると企画はもう既にいくつか出ているのかな、妄想範囲でも、と考えると非常に楽しみではある。「やり残したことがある。こうなればいいという可能性も理解してる。今後ともうちの3姉妹をよろしくお願いします」というメッセージも非常に心に響くメッセージでした

チュンソフトの石井さんは「428をよろしくお願いします・・・」と狭い想いで言っていた。また、トークの合間にもミノタローさんはそこで寧々さんが働いているデキシーズの「後輩」を描いていた。「後輩」はコナミの内田さんから「こまりまゆこ」と命名されることに。

とにかく凝縮された内容の第一部が終了。

4.第二部

5分の休憩をはさみ、第二部へと突入

コナミの内田さん、石原さん、チュンソフトの石井さんが抜け、そこに萌えニュースサイトのかーずさんと声優の磯村知美さんが新たに加わった

第二部は前半を新たに迎えたゲストたちの自己紹介&彼女紹介、彼女通信が行われ、後半は開演前に回収されたアンケートを使ってのプレゼント大会となった

磯村知美さんは「ラブプラスは女の子がプレイしても、名前を呼んでくれないのでそれがちょっと・・・」とコナミ関係者席のほうを見ながら言っていた。たしかに女性がプレイするときは彼氏の名前とか親戚の名前でプレイすることになってしまうことが多い

かーずさんは、36歳にして高校に入学、そして年上(?)の寧々さんと知り合い、お付き合いすることになったとのなれそめを楽しそうに語ってくれた

かーずさんの「この年で純愛が楽しめるのは画期的」という言葉に心からの拍手を送りたいです

DSのタッチペンを口にくわえて疑似キスプレイを楽しむ、といった前半とは全く雰囲気の違う話の展開もあったため、非常に面白かった

そしてプレゼント大会

アンケート用紙の束から進行陣が一枚引くという方法がとられた

アンケート用紙に記入した「彼女に呼ばせている名前」「職業」「年齢」「彼女との思い出」などが読み上げられ、会場は盛り上がりっぱなしであった

例えば、思い出に葛西臨海公園にリアルデートをし観覧車にも一緒に行ったなんていう人もいた。なお、この人は「イベント開始前」に読み上げられその時点で皆本気であることが伝わっていた

賞品は、三人からのラブレター三種類、計9枚。これは9枚セットで1名に渡された。

三人のポスター二種、計6枚。これは6名に1枚ずつとなった。このプレゼントに私が最初に無線LANを貸した人にあたり、デザイン担当のミノタローさんからのサインとデフォルメされたキャラの似顔絵を描いてもらっていた。写真を撮れなかったことが悔しい。

他にはミノタロー氏に彼女のオリジナル似顔絵を描いてもらえる権利、会場でミノタロー氏が描いたデキシーズの後輩「こまりまよこ」や「男色ディーノ女性化ver」などなど、会場限定のグッズも配られた。

ここで気づいたのは、会場にいた年齢層だ。見た目である程度はわかるのだけれど、プレゼントの際にアンケートを読み上げられた年齢層は30代ばかりであった。そして職業のところは「サラリーマン」か「自宅警備員」の二極化となり、カオスなイベントであったことがそこからも読み取れる。

プレゼントを全て渡すと、イベントも〆へと進む

〆の一言に選ばれたのは、凛子役の丹下桜さんのボイスメッセージにもあった言葉、「ラブプラスとコンビニがあれば生きていける」となった。ややグダグダ感はあったが、最後は息のあった進行陣の

ラブプラスとコンビニがあればー!」

という言葉に、会場の約200人が

「生きていける−!」

と各々の振りかざされた手と共に自らの想いを叫んでいた。

そして、拍手に包まれ、閉会となった。「是非、ラブプラスワン2を」という声も多いため、それが叶うことを私も楽しみにしています

4.自分としてのまとめ

非常に楽しいイベントだったと思う。参加できて良かったし、何より製作サイドの「売れるかわからなかった」といった本音が聞けたのが何より嬉しい

確かに今までに無いゲームではあるが、これほどまでにブレイクするとは予想できなかったのだろう。

売り切れ続出というのも元々の生産数が少なかったからと考えると納得がいく

ゲームなんだから気軽にやりましょう、というのが僕の本音。ただ、そこに「こういうことしたい」といった不満が出てくることも事実なので、そこはコナミが次回作の匂いを漂わせた限りは何ヶ月、何年経っても実現して欲しい

ゲームの中の女の子と選択肢オンリーでは無く触れることによりコミュニケーションを実現させるという、それまでにあまり例を見ないジャンルがここまで人気になるとは私自身思っていなかった(実のところ、最初は買う予定はなかったが、周りのススメと反響に購入へと至った)

隣の方とも交流ができたし、4gamer.netとの交流ではなくファン同士の交流会としても機能した点から見てもこのイベントは成功だったのではないかと思う。実際Twitterの"#liveplusone"のハッシュタグをつけたもの同士でイベント後にオフ会も開かれたようです

続編に期待し、今後もラブプラスという未知の可能性を秘めたゲームに注目していきたい。長くまとまらない文章になってしまったような気もするが、これで「ラブプラスワン」のレポートを終わりとします。お疲れ様でした。